ふくろうさんのホーホー日記

司法試験受験生の雑感

図書館は学知の心臓部

タイトルに込めた意味

大学図書館は、大学の付属施設ではない。高校までの学校は、教育施設であり、生徒の教育レベル・人間性を育てることを主題化したものだが、大学はそうではない。大学は、研究機関である。

だから、高校までにおまけ程度についていて、新書や小説だけを置いている図書館と大学のこれとは異なる。大学図書館は、専門書・専門雑誌を大量に収集している。公立図書館にもない蔵書を数多く取り揃えている。(法律学専門の僕からするとあまり馴染みないのだが、福沢諭吉の何かの書物の原本があるらしい、)

僕の通っている大学は一応100年以上の歴史ある大学であるから、過去の書籍・文献にもアクセスできる。

僕の図書館活用法

僕が図書館を使うのは、①大学の課題(レポート、ゼミ論)をこなすための情報収集活動、②日々の勉強(司法試験・大学院進学対策)のための文献収集、③私的な関心を埋めるための文献収集という目的が多い。

大学の課題

レポート、ゼミ論、卒論に関わらず、先行論文や文献にアクセスせずに書ける文章はない。後日、論文・レポートの書き方について記事を書くことにしたい。

基本的には、手持ち以外の基本書と判例評釈、判例解説、逐条解説、改正法解説を入手することが多い。

日々の勉強

これは、司法試験受験系の雑誌を参照することが多い。受験新報やHi Lawyerを読むことが多い。予備校界隈の近時の司法試験の問題や解説、出題趣旨に関する分析が載っている事が多く、試験対策上有用な情報を入手する重要ツールである。1冊2000円前後するため比較的高額で、在庫を置いている本屋が少ない。また、自分が求めている情報の濃さにばらつきがあることから買うという選択肢は取りにくい。だからこそ、大学図書館で必要情報を摂取することが、大事なのだ。

私的な関心を埋める

多くは、自分の関心領域(憲法・情報法・国際私法)に関連する文献や近時の判例動向に関する調査である。最近は、法学セミナーの情報法ナビゲーションやプロバイダ責任制限法の逐条解説、基本判例などの読解に注力している。

最近の図書館使用方法

以下は、僕の図書館の使い方であり、一つの参考例としてほしい。

滞在時間50分

 

【チェックした文献】

  • 山根崇邦「写真画像のリツイートと氏名表示権侵害」(法セミ・2021年3月No.794)34~39頁
  • 小島崇弘「教科書やウェブ情報のコピペはどこまで許されるのか」(法セミ・2021年3月No.794)8~12頁
  • 伊藤建「薬局解説距離制限事件判決の基準の使い方をめぐる事例分析」(法セミ・2021年3月No.794)77~81頁
  • 伊永大輔「ドラフト会議からの特定選手の除外」(ジュリスト・2021年3月No.1555)6~7頁
  • 苗村博子「種苗法の一部を改正する法律」(ジュリスト・2021年3月No.1555)84~89頁
  • 笹本哲朗、判例解説・令和2.7.21(ジュリスト・2021年3月No.1555)101頁~108頁
  • 安念潤司判例で書いてもいいんですか?』(中央ロージャーナル・6巻2号2009年)85~103頁

【チェックした理由とコメント】

山根崇邦「写真画像のリツイートと氏名表示権侵害」・笹本哲朗、判例解説

令和2年7月21日最判はインターネット記事でも盛り上がりを見せた。「リツイートが権利侵害になる」という不正確なタイトルとともに拡散され、Twitterではかなりパニックになった。リツイートは単なる情報拡散行為ではなく、自己のツイート(表現)として引用する性質を持っていると法的には評価されるため、このように権利侵害になりうる行為といえるのである。実際にRTを権利侵害とした裁判例は数多くある。

これもその一つである。ようやく学者の評釈、調査官解説が出たのでこれをもとにレポートを1本書いてみようかと思い、チェックした。

小島崇弘「教科書やウェブ情報のコピペはどこまで許されるのか」

今月号の法セミの特集は良かった。特集の時事性・連載講座の基礎・基本の徹底が法セミの特徴。コロナ禍のオンライン授業に関する著作物の利用に関する文献もあったが、一学生として気になった論文はこれ。

知財法を勉強するやる気と時間はないが、手っ取り早く即効性のある知識を入れたかったので手にとった。

伊藤建「薬局解説距離制限事件判決の基準の使い方をめぐる事例分析」

言わずもがなの我らの「たけるん」の記事、法セミに寄稿する執筆者で一番ツイッターやってると思う。

フォーカス憲法は単行本化してほしい所存

伊永大輔「ドラフト会議からの特定選手の除外」

野球ファンなら知っている「田澤ルール」について解説された論文。見開き1頁で公取委の審査に付された件について述べられている。学部講義で半期で経済法を取ったがよくわかっていない。適用法条から丁寧に解説されているので興味深いといえる。

苗村博子「種苗法の一部を改正する法律」

国会を騒がせた種苗法改正案。検察庁法改正案と並んで、昨年国会審議や社会を騒がせた法案といえよう。検察庁法改正案については憲法領域との接続もあったことから、調べる労力を振り向けられたが、種苗法はそういうわけにはいかなかった。これを読んで国会審議や法改正の問題点について見識を深められそう。

どうでもいい話だが、種苗法改正案についての解説を苗村先生という方が執筆されているのはじわる。

安念潤司判例で書いてもいいんですか?』

中央・ロージャーナルが法科大学院所蔵で学部生は立ち入れないため、わざわざ取り寄せた。「判例はカミ、学説はゴミ」という言説が登場した、受験生には有名な記事である。

まとめると

借りた本としては、会社法の令和元年改正の解説本(商事法務出版の一問一答)とプロ責法の弁護士会が出してる基本判例解説みたいなものを借りた。気が向いたら読む(それは多分読まないフラグ)。

見ていただくと分かる通り、今回は基本書については何も触れなかった。基本書はレポートを書く時に論点となる学説の違いを明らかにしたりする時に見るときが多いので。