ふくろうさんのホーホー日記

司法試験受験生の雑感

改正・新型インフルエンザ特別措置法①

はじめに

2021年改正・特措法改正の概要

新型インフルエンザ特措法(以下「法」)の改正の概要は以下の通り

  1. 特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設
  2. 緊急事態宣言中に開設できることとされている「臨時の医療施設」について、政府対策本部が設置された段階から開設できることとする。
  3. 緊急辞退宣言中の宣言の施設制限等の要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合(30万円以下)の過料を規定する。

改正の趣旨

「現下の新型コロナウイルス感染症に係る対策の推進を図るため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の要請、要請に応じない場合の命令等を規定し、併せて事業者及び地方公共団体等に対する支援を規定するとともに、新型コロナウイルス感染症感染症法において新型インフルエンザ等感染症と位置づけ、所要の措置を講ずることができることとし、併せて宿泊療養及び自宅療養の要請について法律上の根拠を設ける等の措置を講ずる。」

改正箇所について

まん延防止等重点措置

第三章の二が新設される形で改正が行われた。

 第31条の4

政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章及び次章において同じ。)が国内で発生し、特定の区域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある当該区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を集中的に実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、当該事態が発生した旨及び次に掲げる事項を公示するものとする。

 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき期間
 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき区域
 当該事態の概要

 なお、同条2項により、同条1項1号の期間は「六月を超えてはならない」と定められている。

第31条の6 都道府県知事は、第三十一条の四第一項に規定する事態において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある同項第二号に掲げる区域(以下この条において「重点区域」という。)における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該都道府県知事が定める期間及び区域において、新型インフルエンザ等の発生の状況についての政令で定める事項を勘案して措置を講ずる必要があると認める業態に属する事業を行う者に対し、営業時間の変更その他国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある重点区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するために必要な措置として政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
 都道府県知事は、第三十一条の四第一項に規定する事態において、当該都道府県の住民に対し、前項の当該都道府県知事が定める期間及び区域において同項の規定による要請に係る営業時間以外の時間に当該業態に属する事業が行われている場所にみだりに出入りしないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。
 第一項の規定による要請を受けた者が正当な理由がないのに当該要請に応じないときは、都道府県知事は、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある重点区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため特に必要があると認めるときに限り、当該者に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。
 都道府県知事は、第一項若しくは第二項の規定による要請又は前項の規定による命令を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。
 都道府県知事は、第一項の規定による要請又は第三項の規定による命令をしたときは、その旨を公表することができる。

緊急事態宣言との異同

いわばグレーゾーンとして「まん延防止等重点措置」を盛り込むことで、グラデーションを持たせている。

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過料とは何か

過料は、行政が実効性を担保するための仕組みとしてよく利用されている。行政上の秩序罰は刑法上の刑罰ではなく、行政上の義務違反に対して制裁として過料という金銭的負担を科すものである。

この点については、中原茂樹『基本行政法(第3版)』が詳しいので、こちらをご参照ください。

こちらは好みがでますが、大橋洋一行政法Ⅰ(第4版)』もおすすめです。

行政上の秩序罰は、届出や通知などの義務に違反した場合のように、軽微な義務違反に対する制裁である。過料には、法律に基づくものと、条例・規則に基づくものがある。

同改正に関する私見等については、後日追記したい。